武蔵野の草葉もろ向きかもかくも
君がまにまに我は寄りにしを
- 歌の意味
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武蔵野の草葉がみな一方になびくように、ともかくもあなたの思うままに私は身を寄せたのに。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3377
詞書は前の歌に続き「相聞」
武蔵野の草葉が風に一方へなびくように、何もかもあなたの思うままに身を寄せたのに、と相手の心変わりを恨む女性の歌である。風になびく草の姿が、一途に従った心をよく表している。
武蔵国歌の一首で、第三千三百七十五首から四首続けて「武蔵野」を初句に置く。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「武蔵野の」は四首続く武蔵野の歌の最後で、広い野の景を示す。
二句「草葉もろ向き」の「もろ向き」はみな同じ方向に向くことで、草葉がなびくさまをいう。初句と二句が序詞となる。
三句「かもかくも」はああもこうもと、とにかくの意である。
四句「君がまにまに」の「まにまに」は思うままにの意で、相手にすべてを委ねたことをいう。
結句「我は寄りにしを」の「にし」は完了と過去、「を」は逆接の詠嘆で、寄り添ったのにと恨みをこめて結ぶ。
もろむき:みな同じ方向を向く
まにまに:思うままに、従って
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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恋しけば袖も振らむを武蔵野の うけらが花の色に出なゆめ
- 次の歌
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入間道の於保屋が原のいはゐつら 引かばぬるぬる我にな絶えそね