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堀江越え遠き里まで送り来る
君が心は忘らゆましじ

歌の意味
堀江を越えて、遠い里まで見送ってくれたあなたの心は、忘れることができないだろう。
鑑賞
巻第二十 雑歌 4482

詞書は前の歌に続き「三月四日、兵部大丞大原真人今城の宅にして宴する歌一首」
 堀江を越えて遠い里まで見送ってくれたあなたの心は忘れられないと、見送りの厚意に感謝した一首である。左注によれば、播磨介藤原朝臣執弓が任地に赴く際に別れを悲しんで作った歌で、主人の大原今城が伝え読んだという。今城が自邸の宴で、以前に聞いた送別の歌を披露したものである。
 作者の藤原執弓は藤原氏の一族で、この時は播磨介として任地に赴いた。のちに藤原真先と名のったとされる。

 初句「堀江越え」は難波の堀江を越えての意で、見送りの道のりを示す。
 二句「遠き里まで」は遠い里までの意である。
 三句「送り来る」は見送ってくれたの意で、相手の厚意を示す。
 四句「君が心は」はあなたの心はの意である。
 結句「忘らゆましじ」の「ましじ」は打消の推量で、忘れることはできないだろうと結ぶ。

ましじ:〜できないだろう
作者
藤原執弓
出典
万葉集
前の歌
あしひきの八つ峰の椿つらつらに 見とも飽かめや植ゑてける君
次の歌
移り行く時見るごとに心痛く 昔の人し思ほゆるかも