咲く花は移ろふ時ありあしひきの
山菅の根し長くはありけり
- 歌の意味
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咲く花は色あせて散る時がある。山菅の根こそは、長く変わらないものであった。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4484
詞書なし。左注に「右の一首は、大伴宿禰家持、物色の変化を悲怜びて作る」とある
咲く花は移ろう時がある、山菅の根こそは長く変わらないものだったと、華やかなものの移ろいと地味なものの永さとを対比した一首である。左注によれば、家持が物の様子の移り変わりを悲しみいとおしんで作った。前歌の時勢の移ろいへの嘆きを受け、移ろう花と変わらぬ根を対照させて、無常の中に変わらぬものを見出そうとしている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部大輔であった。
初句「咲く花は」は咲き誇る花はの意で、華やかなものの象徴である。
二句「移ろふ時あり」は色あせ散る時があるの意で、前歌の「移り行く」と響き合っている。ここで句切れとなる。
三句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。
四句「山菅の根し」の「し」は強意で、山菅の根こそはの意である。目立たぬが長く続くものの象徴である。
結句「長くはありけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、長く変わらないものであったと結ぶ。初句の「咲く花」と対をなしている。
やますが:山に生える菅
うつろふ:色があせる。移り変わる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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移り行く時見るごとに心痛く 昔の人し思ほゆるかも
- 次の歌
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時の花いやめづらしもかくしこそ 見し明らめめ秋立つごとに