山里は霞みわたれるけしきにて
空にや春の立つを知るらん
- 歌の意味
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山里では、一面に霞がかかっている様子によって、空に春が立ったことを知るのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 7
詞書「山里に春立つと云ふ事」
山里に春が来たことを題とする歌である。人の訪れも少なく、暦の知らせも届きにくい山里では、一面に立ちこめる霞の様子によって、空の上に春が立ったことを知るのだろう、と推し量っている。
都の人々が暦や行事で春を知るのとは違い、山里では自然の景色そのものが春の訪れを告げる、という山里の暮らしへの思いが込められている。山家集の名にふさわしく、山里から春を見る視点が示された一首である。
初句「山里は」の「は」は、都と区別して山里を取り立てる働きをしている。
二句「霞みわたれる」は、一面に霞がかかっている意である。「る」は存続を表す。
三句「けしきにて」は、その様子によって、の意で、春を知る手がかりを示す。
四句「空にや春の」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と係り結びをなす。霞の立ちこめる空に春が来たのか、と問いかけている。
結句「立つを知るらん」は、春が立つことを知るのだろうか、の意である。四句の「や」を受けて、推量の「らん」で結んでいる。
かすみわたる:一面に霞がかかる
やまざと:山の中の人里
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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子の日して立てたる松に植ゑ添へん 千代重ぬべき年のしるしに
- 次の歌
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いつしかと春来にけりと津の国の 難波の浦を霞こめたり