山の端を出づる宵よりしるきかな
今宵知らする秋の夜の月
- 歌の意味
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山の端を出る宵のうちから、はっきりとそれとわかることだ。今宵が十五夜であることを知らせる秋の夜の月は。
- 鑑賞
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秋歌 329
詞書「八月十五夜」
詞書「八月十五夜」は、陰暦八月十五日の夜、中秋の名月を詠む題である。ここから十五夜を詠む歌が続く。山の端を出てくる宵のうちから、今宵が十五夜であることを知らせる秋の夜の月は、その姿ではっきりとそれとわかる、と詠む。名月のひときわの明るさを、出たばかりの宵の月の様子から捉えている。
十五夜を詠む一連の一首目で、月の出の場面から一連が始まる。次歌以下、十五夜の月の明るさ、澄みわたるさま、そして名月を惜しむ心へと詠み進められていく。
初句「山の端を」は、月が出てくる山の稜線を、の意である。
二句「出づる宵より」は、出てくる宵のうちから、の意で、月の出の時を示している。
三句「しるきかな」の「しるし」は、はっきりしている、際立っている、の意で、「かな」は詠嘆である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「今宵知らする」は、今宵が十五夜であることを知らせる、の意である。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、十五夜の月を示して結ぶ。
しるし:はっきりしている、際立っている
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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誰来なん月の光にさそはれてと 思ふに夜半の明けぬなるかな
- 次の歌
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数へねど今宵の月のけしきにて 秋の半ばを空に知るかな