- 歌の意味
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旅寝をしている草の枕に霜が冷たく置いて、有明の月の光が出るのが待たれることだ。
- 鑑賞
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冬歌 516
詞書「寒夜旅宿」
題「寒夜旅宿」は、寒い夜の旅の宿りを詠む題である。旅先で草を枕に仮寝していると、その枕に霜が冷たく置いて寒さで眠れず、夜明けに近い有明の月の光が出るのが自然と待たれる、と詠む。寒さに眠れぬ旅寝のつらさを、月を待つ心によって表している。
冬の夜の寒さを、旅先の仮寝という場面で詠んでおり、山里の住まいで迎える冬を詠んだ前後の歌と対をなす。
初句「旅寝する」は、旅先で寝る、の意である。
二句「草の枕に」の「草の枕」は、旅先での仮の寝床をいう。
三句「霜冴えて」の「冴ゆ」は冷え込む意で、霜が冷たく置いたさまをいう。
四句「有明の月の」は八音の字余りで、「有明の月」は夜が明けても空に残っている月である。
結句「影ぞ待たるる」の「ぞ」は強意の係助詞で、「るる」は自発の助動詞「る」の連体形である。自然と待たれる、の意で、係り結びをなして結ぶ。
たびね:旅先で寝ること
くさのまくら:旅先での仮の寝床
ありあけのつき:夜が明けても空に残っている月
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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玉巻きし垣根の真葛霜枯れて 寂しく見ゆる冬の山里
- 次の歌
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冬枯れのすさまじげなる山里に 月のすむこそあはれなりけれ