夢覚むる鐘の響きにうち添へて
十たびの御名を唱へつるかな
- 歌の意味
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夢から覚めさせる暁の鐘の響きに合わせて、十たび阿弥陀仏の御名を唱えたことだ。
- 鑑賞
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雑歌 871
詞書「暁念仏といふ事を」
題「暁念仏」は、暁に念仏を唱えることをいう。夢から覚めさせる暁の鐘の響きに合わせて、阿弥陀仏の名号を十回唱えた、と詠む。浄土教では十回の念仏によって往生できるとされた。
「うち添へて」と鐘の音を詠む点は、雑の部の巻頭の第七百十二首と同じで、そこでは物思いに鐘の音が重なったが、ここでは鐘の音に念仏の声を重ねている。
初句「夢覚むる」は、夢から覚める、の意で、迷いの夢から覚めることをも暗示している。
二句「鐘の響きに」は、暁の勤行を告げる鐘の響きに、の意で、題の「暁」に当たる。
三句「うち添へて」は、合わせて、加えて、の意である。
四句「十たびの御名を」は、十回の名号を、の意で、阿弥陀仏の名を唱える十念をいう。
結句「唱へつるかな」は、唱えたことだ、の意で、題の「念仏」に当たる。
とたび:十度、十回
みな:仏の名号
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山端に隠るる月を眺むれば 我と心の西に入るかな
- 次の歌
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西へ行く月をやよそに思ふらん 心に入らぬ人のためには