悔しくも見初めけるかななべて世の
あはれとばかり聞かましものを
- 歌の意味
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悔しいことに、あの人と出会い見初めてしまったものだ。見なければ、その死も世間によくある哀れな話としてだけ聞いていただろうに。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 407
亡くなった人を見初めてしまったことを悔やみ、もし知り合わなければ、その死も世間によくある哀れな話として聞くだけですんだだろうにと詠む一首である。知り合ったがゆえの悲しみの深さを、反実仮想によって表している。
初句「悔しくも」は、係助詞「も」で、悔しいことにという意を表す。
二句「見初めけるかな」は、詠嘆の「けり」の連体形と「かな」で、見初めてしまったことだという二句切れである。
三句「なべて世の」は、世間一般のという意を表す。
四句「あはれとばかり」は、副助詞「ばかり」で、哀れな話としてだけという意を表す。
結句「聞かましものを」は、反実仮想の「まし」と逆接の詠嘆を表す「ものを」で、聞いていただろうにと結ぶ。
みそむ:初めて見る。見て心ひかれる
- 出典
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詞花和歌集
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人を問ふ鐘の声こそあはれなれ いつか我が身にならむとすらむ
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