人を問ふ鐘の声こそあはれなれ
いつか我が身にならむとすらむ
- 歌の意味
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人の死を弔ってつく鐘の音こそ、しみじみと身にしみる。いつかわが身のための鐘となるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 406
亡くなった人を弔ってつかれる鐘の音を聞き、その哀れさにしみじみとしながら、いつかは自分の死を告げる鐘となるのだろうかと思う一首である。他人の死を告げる鐘に、自らの死を予感する無常の思いが表れている。
本巻の第三百五十七首も、入相の鐘の音を明日も聞ける身か分からないと詠み、鐘の音に命のはかなさを重ねる歌が響き合っている。
初句「人を問ふ」は、亡き人を弔うことをいう。
二句「鐘の声こそ」は、係助詞「こそ」で、弔いの鐘の音を強く取り立てる。
三句「あはれなれ」は、形容動詞「あはれなり」の已然形で「こそ」を受けて結ぶ係り結びで、しみじみと身にしみるという三句切れである。
四句「いつか我が身に」は、いつかわが身のことにという意を表す。
結句「ならむとすらむ」は、推量の「む」と現在推量の「らむ」で、なるのだろうかと結ぶ。
とふ:弔う
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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折々のつらさを何に嘆きけむ やがて亡き世もあはれありけり
- 次の歌
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悔しくも見初めけるかななべて世の あはれとばかり聞かましものを