長き世の苦しきことを思へかし
何嘆くらむ仮の宿りに
- 歌の意味
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死後の長い世での苦しみのことをこそ思いなさい。どうしてかりそめの宿にすぎないこの世のことで嘆くのか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 409
かりそめの宿にすぎないこの世のことを嘆くよりも、死後の長い世での苦しみをこそ思うべきだと諭す一首である。この世を仮の宿とする仏教の考えに立ち、後の世を願うことを勧めている。
巻頭の第三百四十八首、第三百五十四首が住処を詠んだのに対し、ここではこの世そのものを仮の宿りとしている。
初句「長き世の」は、死後の長い世をいう。
二句「苦しきことを」は、来世で受ける苦しみをいう。
三句「思へかし」は、命令形に念を押す終助詞「かし」が付いた形で、思いなさいという三句切れである。
四句「何嘆くらむ」は、現在推量の「らむ」で、どうして嘆くのかという意を表す。
結句「仮の宿りに」は、かりそめの宿であるこの世をいい、倒置によって嘆く対象を示して結ぶ。
かりのやどり:かりそめの宿。この世
- 出典
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詞花和歌集
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かくてのみ世にありあけの月ならば 雲隠してよ天降る神
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思へども忌むとて言はぬことなれば そなたに向きて音をのみぞ泣く