陸奥の真野の萱原かりにだに
来ぬ人をのみ待つが苦しき
- 歌の意味
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陸奥の真野の萱原の萱を刈りに来るように、仮にさえ来ない人ばかりを待つのが苦しい。
- 鑑賞
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恋歌 515
詞書は前の歌に続き「待恋の心をよめる」
陸奥の真野の萱原の萱を刈りに来る人があっても、自分のもとには仮にさえ来ない人ばかりを待つのは苦しいと詠んだ歌である。前歌の「こぬ人を」を受けている。
底本の注記によれば、類従本では題を「夏の恋といふ事を」とし、定家所伝本では結句に異同がある。ここでは底本の本文に従う。
初句「みちのくの」は、陸奥国のの意である。
二句「真野のかや原」は、萱の生える真野の野原の意で、萱を刈ることから「かり」を導く。
三句「かりにだに」は、萱を刈りにと、仮にとを掛け、仮にさえの意となる。
四句「こぬ人をのみ」は、来ない人ばかりをの意で、前歌の初句「こぬ人を」と同じ語である。
結句「待つがくるしき」は、待つのが苦しいの意で、連体形で詠嘆を込めて結んでいる。
かやはら:萱の生えた野原
かり:萱を刈る意と、仮にの意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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来ぬ人を必ず待つとなけれども 暁方になりやしぬらむ
- 次の歌
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待てとしも頼めぬ人の葛の葉も あだなる風をうらみやはせむ