数ならぬ身はうき雲のよそながら
あはれとぞ思ふ秋の夜の月
- 歌の意味
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数にも入らない私の身は、浮雲のように遠く離れたままではあるが、しみじみと心ひかれる、秋の夜の月に。
- 鑑賞
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恋歌 521
詞書「寄月恋」
数にも入らないつまらない身である自分は、浮雲のように遠くから眺めるばかりだが、それでも秋の夜の月をしみじみと慕わしく思うと詠んだ歌である。月に身分違いの恋の相手を重ねている。
初句「かずならぬ」は、物の数にも入らないの意で、自分を卑下する語である。
二句「身はうき雲の」は、浮雲と、憂き身とを掛け、つらい身は浮雲のようにの意となる。
三句「よそながら」は、遠く離れたままでの意である。
四句「あはれとぞ思ふ」の「ぞ」は係助詞で、「思ふ」と連体形で結ぶ。しみじみと心ひかれるの意である。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、遠く仰ぎ見る恋の相手を重ねている。前歌の袖に宿る月に対し、遠く空にある月を詠んでいる。
かずならず:物の数に入らない、とるに足りない
うき:浮きと、憂きを掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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わが袖に覚えず月ぞ宿りける 問ふ人あらばいかが答へむ
- 次の歌
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月影もさやには見えずかき暗す 心の闇の晴れしやらねば