- 歌の意味
- 薄い緑色に霞んでいる空の様子によって、色の変わらない常磐の山は春の訪れを知るのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 9
四季を通じて色の変わらない常磐の山は、自らの姿で春を知ることができないので、霞んだ空の様子によって春を知るのだろうと推量した歌である。山の名の「常磐」に着目した理知的な趣向である。
初句「浅緑」は薄い緑色で、春霞の色合いをいう。
二句「霞める空の」は霞がかかった空で、春のしるしとして詠まれている。
三句「けしきにや」の「けしき」は様子、ありさまで、係助詞「や」によって疑問を表す。
四句「常磐の山は」は山城国の歌枕で、「常磐」の名のとおり常に変わらない山として詠まれる。
結句「春を知るらむ」の「らむ」は原因推量で、色の変わらない山が何によって春を知るのかを推し量る。
ときはのやま:山城国の歌枕。常に変わらない意を名に持つ
けしき:様子、ありさま
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 朝戸あけて春のこずゑの雪見れば 初花ともやいふべかるらむ
- 次の歌
- 年ごとにかはらぬものは春霞 たつたの山のけしきなりけり