朝戸あけて春のこずゑの雪見れば
初花ともやいふべかるらむ
- 歌の意味
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朝、戸を開けて春の梢に積もった雪を見ると、これは初花とも言うべきなのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 8
詞書「返し」
前歌の第七首、藤原顕季の歌への返歌である。顕季が年頭の雪を「初雪」と呼ぼうとしたのを受け、春の梢に積もった雪ならば「初花」とも呼べようと切り返している。
雪を花に見立てる型は本巻の第二首にも見え、巻頭の数首で雪から花へと春の景物が移ってゆくように配列されている。
作者の「公実」は、藤原実季の子で権大納言に至った藤原公実である。春宮大夫を兼ねた。堀河天皇の時代の歌壇で活躍した歌人である。
初句「朝戸あけて」は朝に開ける戸で、「あけて」は戸を開けての意である。
二句「春のこずゑの」は春を迎えた木々の枝先で、季節はすでに春であることを示す。
三句「雪見れば」と、前歌の雪を受けて詠み出している。
四句「初花ともや」は、その年に初めて咲く花とも言えようかの意で、前歌の「初雪とこそ」に対し「初花」を対置している。
結句「いふべかるらむ」は言うべきなのだろうかの意で、前歌の「いふべかりけれ」の断定に対し、推量で柔らかく応じている。
あさと:朝に開ける戸
はつはな:その年、その季節に初めて咲く花
- 作者
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藤原公実
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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あらたまの年のはじめに降りしけば 初雪とこそいふべかりけれ
- 次の歌
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浅緑霞める空のけしきにや 常磐の山は春を知るらむ