鶯の鳴くにつけてやまかねふく
吉備の山人春を知るらむ
- 歌の意味
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鶯の鳴く声によって、吉備の山に住む人は春の訪れを知るのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 12
都から遠い吉備の山里に住む人は、暦ではなく鶯の声によって春を知るのだろうと思いやる歌である。古今和歌集の神遊びの歌に見える「まかねふく吉備の中山」の句を取り入れている。
作者の「顕季」は、藤原隆経の子で修理大夫に至った藤原顕季である。母が白河天皇の乳母であったことから院の近臣として重んじられた。和歌の家である六条藤家の祖である。
初句「鶯の」は春を告げる鳥で、本首から本巻の第十六首まで鶯の歌が続く。
二句「鳴くにつけてや」は鳴くのにつけての意で、係助詞「や」が疑問を表し、結句の「らむ」と呼応する。
三句「まかねふく」は「吉備」にかかる枕詞である。鉄を精錬する意で、吉備国が鉄の産地であったことによる。
四句「吉備の山人」は吉備国の山に住む人で、都から遠い山里の人を思いやっている。
結句「春を知るらむ」は本巻の第九首の結句と同じで、何によって春を知るのかを推量する点も共通している。
まかね:鉄のこと
やまびと:山に住む人
- 作者
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藤原顕季
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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梓弓はるのけしきになりにけり いるさの山に霞たなびく
- 次の歌
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今日よりや梅の立ち枝に鶯の 声里なるるはじめなるらむ