- 歌の意味
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曇りのない鏡と見える月の光に、心が映らない人、心ひかれない人はいないだろう。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 205
一点の曇りもない鏡のような月の光には、誰もが心を映し、心をひかれずにはいられないだろう、と詠む歌である。月を鏡に見立て、「うつる」に映る意と心が移る意とを込めて、月の魅力をたたえている。
本巻の第百九十六首では鏡山から出る月が曇りなく詠まれ、本歌では月そのものが鏡に見立てられている。
本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。
作者の「仲正」は、源頼綱の子で兵庫頭に至った源仲正である。源頼政の父で、堀河天皇の時代から歌人として活動した。
初句「隈もなき」は曇りやかげりのないの意である。次歌の第二百六首にも「月の隈」が詠まれている。
二句「鏡と見ゆる」は鏡のように見えるの意で、月を鏡に見立てている。
三句「月影に」は月の光にの意である。
四句「心うつらぬ」の「うつる」は、鏡に「映る」意と、心が「移る」、つまり心ひかれる意とを掛けた掛詞である。「鏡」と縁語の関係にある。
結句「人はあらじな」は、人はいないだろうの意で、「じ」は打消推量、「な」は詠嘆の終助詞である。
くま:曇り、かげり
うつる:鏡に「映る」意と、心が「移る」意を掛ける
- 作者
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源仲正
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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春日山峰より出づる月影は 佐保の川瀬の氷なりけり
- 次の歌
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むら雲や月の隈をばのごふらむ 晴れゆくままに照りまさるかな