- 歌の意味
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春日山の峰から出る月の光は、佐保川の川瀬に張った氷であったことだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 204
春日山の峰から昇る月の光が佐保川の川瀬に映っているのを、氷が張っているのだと見立てた歌である。月光の白く冷たい輝きを川の氷に見なし、秋の夜の冴えた美しさを描いている。
本巻の第二百首から続いた春日の地の月の歌は本歌で終わる。月光を氷に見立てる趣向は本巻の第百九十三首にも見られる。
本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。
作者の「経信」は、源道方の子で大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれた。晩年は大宰権帥として任地で没した。撰者源俊頼の父である。
初句「春日山」は奈良の春日社の背後の山で、三笠山を含む一帯をいう。
二句「峰より出づる」は峰から出るの意で、本巻の第百九十六首の二句と同じ句である。
三句「月影は」は月の光はの意で、主題を示している。
四句「佐保の川瀬の」は奈良の佐保川の川瀬で、春日山の麓を流れる川である。
結句「氷なりけり」は氷であったことだの意で、月の光を氷に見立て、詠嘆の「けり」で結んでいる。本巻の第百九十三首にも月光を氷に見なす趣向がある。
かすがやま:奈良の春日社の背後にある山
さほがは:奈良の春日山の麓を流れる川
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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三笠山もりくる月の清ければ 神の心も澄みやしぬらむ
- 次の歌
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隈もなき鏡と見ゆる月影に 心うつらぬ人はあらじな