月清み瀬々の網代に寄る氷魚は
玉藻に冴ゆる氷なりけり
- 歌の意味
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月が清らかに照っているので、瀬々の網代に寄る氷魚は、玉藻に冷え冷えと凍りついた氷であったことだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 268
月の光が清らかに照らしているので、川の瀬ごとの網代に寄ってくる氷魚が、藻に張りついた氷のように白く光って見える、と詠む歌である。氷魚という名を生かし、月光に白く光る小魚を氷に見立てている。
前歌の第二百六十七首と同じく網代に寄る氷魚を詠み、一対をなしている。前歌が網代木と波に目を向けたのに対し、本歌は網代に寄る氷魚そのものを月光の中にとらえている。
作者の「経信」は、源道方の子で大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれた。晩年は大宰権帥として任地で没した。撰者源俊頼の父である。
初句「月清み」は月が清らかなのでの意で、形容詞の語幹に「み」を付けた形で原因を表している。
二句「瀬々の網代に」は川のあちこちの瀬に仕掛けた網代にの意である。
三句「寄る氷魚は」は寄ってくる氷魚はの意で、前歌の第二百六十七首の初句「氷魚の寄る」を受けている。
四句「玉藻に冴ゆる」は美しい藻に冷え冷えと凍りつくの意である。
結句「氷なりけり」は氷であったことだの意で、氷魚の「氷」の名にちなんで氷に見立て、詠嘆の「けり」で結んでいる。
せぜ:あちこちの瀬
あじろ:竹や木を編んで川瀬に仕掛け、魚を捕る仕掛け
たまも:藻の美称
さゆ:冷え込む、凍る
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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氷魚の寄る川瀬に見ゆる網代木は 立つ白波のうつにやあるらむ
- 次の歌
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旅寝する夜床冴えつつ明けぬらし とかたぞ鐘の声聞こゆなり