旅寝する夜床冴えつつ明けぬらし
とかたぞ鐘の声聞こゆなり
- 歌の意味
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旅寝をしている夜の床がしきりに冷えて、夜が明けたらしい。遠くの方から鐘の音が聞こえてくる。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 269
旅先で寝ている床がひどく冷え込み、遠くから聞こえてくる鐘の音によって夜が明けたらしいと知る、と詠む歌である。冬の旅寝のわびしさと寒さを、明け方の鐘の音によって描いている。
作者の「経信」は、源道方の子で大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれた。晩年は大宰権帥として任地で没した。撰者源俊頼の父である。
初句「旅寝する」は旅先で寝るの意で、冬の旅の場面を設定している。
二句「夜床冴えつつ」は夜の寝床が冷え続けての意で、「つつ」が継続を表している。
三句「明けぬらし」は夜が明けたらしいの意で、根拠に基づく推定の「らし」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「とかたぞ鐘の」の「とかた」は外の方、遠方の意とされ、係助詞「ぞ」で遠くからの音であることを強めている。
結句「声聞こゆなり」は鐘の音が聞こえてくるの意で、聴覚による推定の「なり」を用い、三句の「らし」の根拠を示している。
よどこ:夜の寝床
とかた:外の方、遠方の意とされる
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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月清み瀬々の網代に寄る氷魚は 玉藻に冴ゆる氷なりけり
- 次の歌
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淡路島かよふ千鳥の鳴く声に 幾夜寝覚めぬ須磨の関守