- 歌の意味
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袖に吹きつける余呉の浦風がたいそう冷え込んで、己高山に雪が降ったことだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 278
余呉の湖から袖に吹きつける風がひどく冷たいことから、近くの己高山に雪が降ったと知る、と詠む歌である。肌に感じる風の冷たさから山の雪を思う構成で、近江の歌枕を重ねて冬の湖畔の景を描いている。
前歌の第二百七十七首が身近なつららから高嶺の雪を推し量ったのに続き、本歌も身近な浦風の冷たさから山の雪を知っている。
本巻の第二百七十七首から第二百九十三首までは雪を詠む歌が中心で、その間の第二百八十一首から第二百八十三首には鷹狩の歌が置かれている。
初句「衣手に」は袖にの意で、肌に風の冷たさを感じる場面を示している。
二句「余呉の浦風」は近江の余呉の湖を吹く風である。
三句「冴え冴えて」はたいそう冷え込んでの意で、「冴え」を重ねて寒さを強めている。
四句「己高山に」は近江の余呉の湖の近くにある山である。
結句「雪降りにけり」は雪が降ったことだの意で、詠嘆の「けり」で結んでいる。前歌の第二百七十七首の「雪降りぬらし」が推定にとどめたのに対し、本歌は降雪を言い切っている。
ころもで:袖
よごのうら:近江国の余呉の湖
こだかみやま:近江国の余呉の湖の近くにある山
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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高嶺には雪降りぬらし真柴川 ほきの懸け草垂氷すがれり
- 次の歌
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白波の立ちわたるかと見ゆるかな 浜名の橋に降れる初雪