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都だに雪降りぬれば信楽の
真木の杣山跡絶えぬらむ

歌の意味
都でさえこのように雪が降ったのだから、信楽の真木の杣山は、人の通った跡も絶えてしまっているだろう。
鑑賞
巻第四 冬歌 291

 都でさえ雪が降り積もったのだから、まして山深い信楽の杣山は人の行き来の跡も絶えているだろう、と思いやる歌である。都の雪から遠い山里の雪の深さを推し量っている。
 次歌の第二百九十二首も「跡絶えて」と詠み、雪に人の跡が絶えた里を思いやる歌が二首並んでいる。
 本巻の第二百七十七首から第二百九十三首までは雪を詠む歌が中心で、その間の第二百八十一首から第二百八十三首には鷹狩の歌が置かれている。
 作者の「隆源」は、若狭守藤原通宗の子の僧で、阿闍梨である。堀河百首の作者の一人である。

 初句「都だに」は都でさえの意で、副助詞「だに」が軽いものを挙げて重いものを類推させている。
 二句「雪降りぬれば」は雪が降ったのでの意で、確定条件を表している。
 三句「信楽の」は近江の信楽で、杣山のある地として知られる。
 四句「真木の杣山」は杉や檜などの良質な木を切り出す山の意である。
 結句「跡絶えぬらむ」は人の通った跡も絶えてしまっているだろうの意で、現在推量の「らむ」で結んでいる。次歌の第二百九十二首にも「跡絶えて」と詠まれている。

しがらき:近江国の地名
そまやま:材木を切り出す山
あと:足跡、人の通った跡
作者
隆源
出典
金葉和歌集
前の歌
炭竈にたつ煙さへ小野山は 雪気の雲に見ゆるなりけり
次の歌
道もなく積もれる雪に跡絶えて 古里いかにさびしかるらむ