かきくらし雨降る夜半やいかならむ
月と雪とはかひなかりけり
- 歌の意味
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空一面を暗くして雨の降る夜は、どうであろうか。月の夜も雪の夜も、甲斐のないことであった。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 293
月の明るい夜も雪の夜も甲斐がなかった、まして空を暗くして雨の降る夜はどうなのだろう、と詠む歌である。月や雪の美しい夜でさえ思うようにならなかった嘆きを、雨の夜へと推し量ることで深めている。何が甲斐なかったのかは一首の中には示されていない。
本巻の第二百七十七首から第二百九十三首までは雪を詠む歌が中心で、その間の第二百八十一首から第二百八十三首には鷹狩の歌が置かれている。
初句「かきくらし」は空一面を暗くしての意で、雨雲が空を覆うさまを示している。
二句「雨降る夜半や」は雨の降る夜はの意で、係助詞「や」が三句の連体形「らむ」と係り結びをなす。
三句「いかならむ」はどうであろうかの意で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「月と雪とは」は月の夜と雪の夜とはの意で、明るく美しい夜を挙げている。
結句「かひなかりけり」は甲斐のないことであったの意で、詠嘆の「けり」で結んでいる。
かきくらす:空一面を暗くする
よは:夜中
かひ:効果、ききめ
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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道もなく積もれる雪に跡絶えて 古里いかにさびしかるらむ
- 次の歌
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榊葉や立ち舞ふ袖の追風に なびかぬ神はあらじとぞ思ふ