思はむと頼めし人の昔にも
あらずなるとのうらめしきかな
- 歌の意味
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いつまでも思おうと期待させた人が、昔のようでもなくなってしまうことが、鳴門の浦ではないが、恨めしいことよ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 430
いつまでも思い続けようと頼みにさせたあの人が、昔とは変わってしまったのが恨めしい、と詠む歌である。阿波の鳴門と浦を掛詞で詠み込み、心変わりした相手への恨みを表している。
作者の「永縁」は、藤原永相の子で、興福寺の僧として権僧正に至った歌僧である。ほととぎすの歌で名高く、初音の僧正と呼ばれた。堀河百首の作者の一人でもある。
初句「思はむと」は、思い続けようとの意で、意志の「む」を用いる。
二句「頼めし人の」は、あてにさせた人がの意で、下二段の「頼む」に過去の「き」の連体形「し」が付いている。
三句「昔にも」は、昔のようにもの意である。
四句「あらずなるとの」の「なると」は、そうではなくなる意の「成る」と、阿波の歌枕の「鳴門」とを掛けており、平仮名のままとした。
結句「うらめしきかな」の「うら」は、鳴門の「浦」と、「恨めし」とを掛けており、平仮名のままとした。詠嘆の終助詞「かな」で結んでいる。
たのむ:あてにさせる、期待させる
なる:そうでなく「成る」意と、阿波の歌枕の「鳴門」を掛ける
うら:鳴門の「浦」と、「恨めし」の「うら」を掛ける
- 作者
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永縁
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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みちのくの思ひしのぶにありながら 心にかかるあふの松原
- 次の歌
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暮るる間も定めなき世に逢ふことを いつとも知らで恋ひわたるかな