人心あさ沢水の根芹こそ
懲るばかりにもつままほしけれ
- 歌の意味
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人の心の浅いことよ。浅沢の水に生える根芹を摘むように、その浅い心を、懲りるほどにつねってやりたいものだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 432
浅沢の水に生える根芹を摘むように、浅い人の心を、相手が懲りるほどにつねってやりたい、と詠む歌である。薄情な相手への恨みを、住吉の歌枕の浅沢と根芹を詠み込んだ機知で表している。
本巻の後半には、第四百九十四首以下のように掛詞を重ねた機知的な恋の歌がまとまって収められており、本歌もそうした趣向に通じている。
初句「人心」は、相手の心の意で、二句の「あさ」へと続き、心の浅さをいう。
二句「あさ沢水の」の「あさ」は、心が「浅し」の意と、摂津の住吉の歌枕の「浅沢」とを掛けており、平仮名のままとした。
三句「根芹こそ」は、根のついた芹の意で、係助詞「こそ」は結句の「ほしけれ」と係り結びをなしている。
四句「懲るばかりにも」は、懲りるほどにもの意で、相手が懲りるほどに、の意となる。
結句「つままほしけれ」の「つま」は、芹を「摘む」意と、指先でつねる意の「抓む」とを掛けているとみられ、平仮名のままとした。願望の「まほし」の已然形「まほしけれ」で、三句の「こそ」を受けて結んでいる。
あさざは:心が「浅し」の意と、住吉の歌枕の「浅沢」を掛ける
ねぜり:根のついたままの芹
こる:懲りる
つむ:芹を「摘む」意と、つねる意の「抓む」を掛けるとみられる
- 出典
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