白雲とよそに見つればあしひきの
山もとどろに落つる滝つ瀬
- 歌の意味
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遠くから見たときには白雲だと思っていたが、近づいてみると、山も鳴り響くほどに落ちる激しい滝の流れであった。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 545
遠くから眺めていたときには白雲だと見ていたが、近くで見ると、山も鳴り響くほどの轟音をたてて落ちる滝の流れであった、と詠む歌である。遠望では静かな白雲に見えた滝が、近づくと山を揺るがすほどの迫力を持っていたという驚きを、遠近の対比によって表している。
次歌の第五百四十六首も布引の滝を詠んでおり、滝を詠む歌が二首並んでいる。本歌が滝を白雲に見立てたのに対し、次歌は天の川の流れの末に見立てており、ともに滝を天空のものになぞらえている。
作者の「経信」は、民部卿道方の子で、大納言に至り、桂大納言と呼ばれた源経信である。本集の撰者源俊頼の父である。
初句「白雲と」は、白雲だとの意で、遠くから見た滝を白雲に見立てている。
二句「よそに見つれば」は、遠くから見ていたのでの意で、完了の「つ」の已然形に接続助詞「ば」が付いている。
三句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
四句「山もとどろに」は、山も鳴り響くほどにの意で、「とどろ」は大きな音が鳴り響くさまをいう。二句の「よそに」の遠景と対比して、近くで聞く滝の轟きを表している。
結句「落つる滝つ瀬」は、落ちる滝の流れの意で、体言止めで、滝の迫力を印象づけて結んでいる。
たきつせ:滝の流れ、激しい急流
とどろ:大きな音が鳴り響くさま
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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玉櫛笥二見の浦の貝しげみ 蒔絵に見ゆる松のむら立ち
- 次の歌
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天の川これや流れの末ならむ 空より落つる布引の滝