古今和歌集 - 凡河内みつね
夏と秋がすれちがう空の通り道では、片方は涼しい風が吹くのだろうか。
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古今和歌集 - 藤原敏行朝臣
秋が来たと目にははっきり見えなくとも、吹く風の音に秋が来ていると気付かされる。
古今和歌集 - 紀貫之
川風の涼しいことよ。波といっしょに秋は立つのだろうか。
古今和歌集 - よみ人しらず
私の夫の着物の裾を裏返す、まことに珍しい秋の初風が吹き始めたことだ。
昨日、早苗を取って植えたばかりであるのに、いつの間に稲葉がそよいで秋風が吹くのであろうか。
秋風の吹きはじめた日から天の河原に立ってあなたを待たない日はない。
天の河原の渡し守、あの方が渡ってしまわれたなら舟のかじを隠してしまってください。
天の川はもみじを橋にして渡すからであろうか、織女星がとくに秋ばかりを待って逢うのは
恋いに恋いつづけて、逢う夜は今宵である。天の川よ、霧が一面に立ち込めて夜が明けないでいてほしい。
古今和歌集 - 紀とものり
天の川の浅瀬を知らなかったので、白波の立っているところを辿って渡りきらないうちに夜が明けてしまった。
古今和歌集 - 藤原おきかぜ
「一年に一度だけ逢う」と約束した織姫の心がつれないことだ。一年に一度だけ逢うなど逢ったことになるだろうか、いや逢ったことにはならない。
毎年逢いはするけれど、一年に一度のことであるから織女と彦星が共に寝る夜は少ないことだ。
七夕に貸した糸のように長く年を経て恋つづけるのだろうか。
古今和歌集 - 素性法師
私は今夜訪れる人に逢うつもりはありません。七夕のように長い間、待つようになってしまうから。
古今和歌集 - 源むねゆきの朝臣
「今はもうこれまで」と別れる時には天の川を渡る前に私の袖は濡れてしまった
古今和歌集 - みぶのただみね
今日からは来年の昨日(七月七日)を早く来ればいいと待ち続けねばならないのか