- 歌の意味
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天上のような宮中の豊明の節会で見たあの人の面影が、今もなお、むやみに恋しい。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1004
詞書「左大将朝光五節の舞姫奉りけるかしづきを見てつかはしける」
冬の節会と年の暮に寄せて女に贈った歌二首の一首目である。豊明の節会で見た人の面影が今もむやみに恋しいと詠む。詞書によれば、左大将藤原朝光が五節の舞姫を献上した折、舞姫に付き添う女を見て贈った歌である。
作者の「前大納言公任」は藤原公任である。関白太政大臣藤原頼忠の子で、権大納言に至った。詩歌管弦にすぐれ、『和漢朗詠集』を撰した。
左大将朝光は藤原朝光で、関白藤原兼通の子である。
五節の舞姫は、十一月の新嘗祭や大嘗祭の折に舞を奉る少女で、公卿や受領が献上した。かしづきは舞姫の世話をする付き添いの女房である。
初句「天つ空」は大空の意で、宮中を天上になぞらえて、次の「豊の明り」を導く。
二句「豊の明りに」の豊の明りは、新嘗祭の翌日に宮中で催される豊明の節会で、五節の舞が舞われた。はなやかな節会の場での出会いである。
三句「見し人の」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形で、節会の場で見かけた人の、の意である。
四句「なほ面影の」は、節会が終わった今もなお、その姿が目に浮かぶ、の意である。
結句「しひて恋しき」の「しひて」は、むやみに、無理にも、の意で、抑えようとしても恋しさがつのることを示す。連体形の「恋しき」で止め、余情を残す。一度見ただけの人を恋う点で、巻頭からの見るだけの恋を受けつつ、舞台を宮中の華やかな行事に移している。
とよのあかり:新嘗祭などの翌日に宮中で催される宴、豊明の節会
かしづき:舞姫の世話をする付き添いの女房
おもかげ:目の前にあるかのように思い浮かぶ姿
- 作者
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藤原公任
- 出典
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新古今和歌集
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唐衣袖に人目はつつめども こぼるるものは涙なりけり
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あらたまの年にまかせて見るよりは 我こそ越えめ逢坂の関