秋萩の枝もとををに置く露の
今朝消えぬとも色に出でめや
- 歌の意味
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秋萩の枝もたわむほどに置く露が今朝消えてしまうように、たとえ私の命が今朝消えてしまっても、思いを顔色に出したりするだろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1025
詞書「題しらず」
思いを色に出すか否かをめぐる忍ぶ恋を詠む一連の一首目である。萩の枝に置く露が消えるように命が消えても、思いを顔色には出さないと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「中納言家持」は大伴家持である。大納言大伴旅人の子で、中納言に至った。三十六歌仙の一人で、『万葉集』の編纂に深くかかわったとされる。
『万葉集』巻八には、大伴像見の作として同じ趣の歌があり、『新古今集』では家持の作として入集している。
初句「秋萩の」の萩は秋の七草の一つで、露とともに詠まれることが多い。
二句「枝もとををに」の「とをを」は、枝がたわむほどに、の意である。
三句「置く露の」は、萩の枝に置く露の、の意で、初句からここまでが、消えやすい露によって「消え」を導く序詞となる。
四句「今朝消えぬとも」は、露が今朝消えるように、たとえ自分の命が消えてしまっても、の意である。
結句「色に出でめや」の「めや」は反語で、顔色に出したりするだろうか、決して出しはしない、の意である。命を懸けて思いを秘める決意を示す。ここから「色に出づ」を軸とした忍ぶ恋の一連が始まり、本巻の第千二十九首の後鳥羽院歌も「色に出でめや」と同じ結句で結ぶ。
いろにいづ:心の思いが顔色や態度に現れる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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霜の上に跡踏みつくる浜千鳥 行方もなしと音をのみぞ泣く
- 次の歌
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秋風に乱れてものは思へども 萩の下葉の色は変はらず