我が恋も今は色にや出でなまし
軒のしのぶももみぢしにけり
- 歌の意味
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私の恋も、今はもう表に出してしまおうか。軒のしのぶ草さえも、紅葉して色に出たのだから。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1027
詞書「しのぶ草のもみぢしたるにつけて女のもとにつかはしける」
思いを色に出すか否かをめぐる忍ぶ恋を詠む一連の三首目である。忍ぶという名のしのぶ草さえ紅葉したのだから、自分の恋も今は色に出してしまおうかと詠む。詞書によれば、紅葉したしのぶ草に添えて女に贈った歌である。
作者の「花園左大臣」は源有仁である。後三条天皇の皇子輔仁親王の子で、白河院の猶子となった後、源の姓を賜って臣籍に下り、左大臣に至った。花園に邸があったことから花園左大臣と呼ばれる。
初句「我が恋も」の「も」は、軒のしのぶ草と同じく、の意を含む。
二句「今は色にや」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「まし」で結ぶ。「色に出づ」は思いが表に現れる意である。
三句「出でなまし」の「なまし」は、いっそ〜してしまおうか、とためらいを含む意志を表す。ここで三句切れとなる。
四句「軒のしのぶも」の「しのぶ」は、軒端に生えるしのぶ草の意と、恋を忍ぶ意を掛ける。
結句「もみぢしにけり」は、紅葉してしまったことだ、の意で、忍ぶという名の草さえ色に出たのだから、と恋を打ち明ける理由とする。前二首が色に出さない決意を詠んだのに対し、この歌は色に出そうかと揺れ、同じ「色」をめぐって逆の向きが示されている。
しのぶ:軒端などに生えるしのぶ草の意と、恋を忍ぶ意を掛ける
もみぢす:紅葉する
- 作者
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源有仁
- 出典
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新古今和歌集
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秋風に乱れてものは思へども 萩の下葉の色は変はらず
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石上布留の神杉ふりぬれど 色には出でず露も時雨も