玉の緒よ絶えなば絶えね長らへば
忍ぶることの弱りもぞする
- 歌の意味
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私の命よ、絶えるのならば絶えてしまえ。このまま生き長らえていたら、恋を忍ぶ心が弱って、人に知られてしまうといけないから。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1034
詞書「百首歌の中に忍恋を」
長く秘めた恋を詠む一連の二首目である。命よ絶えるなら絶えてしまえ、生き長らえれば忍ぶ心が弱ってしまう、と忍ぶ恋の限界を詠む。詞書によれば、百首歌の中の「忍恋」の題による歌である。
作者の「式子内親王」は後白河天皇の皇女である。賀茂の斎院を務め、のち出家した。藤原俊成に和歌を学んだ。
この歌は藤原定家の『小倉百人一首』に採られている。
初句「玉の緒よ」の玉の緒は、玉を貫く緒の意から、命をいう。「よ」は呼びかけである。
二句「絶えなば絶えね」の「なば」は完了の助動詞「ぬ」の未然形に「ば」が付いた仮定、「ね」は「ぬ」の命令形で、絶えるのならば絶えてしまえ、の意である。ここで二句切れとなる。「緒」と「絶え」は縁語である。
三句「長らへば」は、生き長らえるならば、の意で、「長らふ」も緒の長さに通じる縁語となる。
四句「忍ぶることの」は、恋を秘め隠すことが、の意である。
結句「弱りもぞする」の「もぞ」は、〜すると困る、と危ぶむ気持ちを表す。「弱る」も緒の縁語で、「絶え」「長らふ」「弱る」が玉の緒に連なる。本巻の第千二十五首の家持歌が、命が消えても色に出さないと詠んだのに対し、この歌は、生きていれば忍びきれなくなると、命と忍ぶことを逆の向きから結び付けている。次歌以下も同じ百首の歌が続く。
たまのを:玉を貫く緒、転じて命
ながらふ:生き長らえる
よわる:弱くなる
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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思ひつつ経にける年のかひやなき ただあらましの夕暮の空
- 次の歌
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忘れてはうち嘆かるる夕べかな 我のみ知りて過ぐる月日を