雨もこそは頼まばもらめ頼まずは
思はぬ人と見てをやみなん
- 歌の意味
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雨でさえ、頼みにすれば漏れてくるものでしょう。頼みにしないのなら、私を思ってはくれない人と見て、それで終わりにしましょう。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1039
詞書「返し」
謙徳公と女房の贈答二首の二首目で、前歌への返歌である。雨でさえ頼みにすれば漏れるものだと言い、頼みにしないなら思ってくれない人と見て終わりにしようと、贈歌の「頼む心」を受けて切り返す。詞書によれば前歌の謙徳公への返しである。
作者の「読人しらず」は、前歌の詞書にいう冷泉院の皇太子時代に仕えた女房で、名は伝わらない。
なお本文の初句は「雨もこそは」とあり、読み仮名の行の「あめこそは」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「雨もこそは」は、雨でさえも、の意である。本文に従えば六音の字余りとなる。「こそ」は係助詞で、二句の「め」で結ぶ。
二句「頼まばもらめ」は、頼みにすれば漏れるだろう、の意で、贈歌の「頼む」を受け、身を寄せても雨が漏るように、頼みは当てにならないと言う。
三句「頼まずは」は、頼みにしないならば、の意で、二句の「頼まば」と対になる。
四句「思はぬ人と」は、自分を思ってはくれない人と、の意である。
結句「見てをやみなん」の「やみ」は、雨が止む意と、関係を終わりにする意の「止み」を掛け、初句の「雨」の縁語となる。巻頭の第九百九十首や第千十八首の「見てや止みなん」に近い句形で、ここでは相手を見限る意に転じている。贈歌の「頼む心」に対し、頼みにされても当てにはならないと、つれなく切り返している。
もる:雨が漏れる
やむ:雨が止む意と、関係を終わりにする意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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つらけれど恨みんとはた思ほえず なほ行く先を頼む心に
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風吹けばとはに波越す磯なれや 我が衣手の乾く時なき