我が恋は荒磯の海の風をいたみ
しきりに寄する波の間もなし
- 歌の意味
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私の恋は、荒磯の海に風が激しいので、しきりに寄せる波のように絶え間もない。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1064
詞書は前の歌に続き「題しらず」
水辺や海辺の景に寄せて絶えない思いを詠む一連の二首目である。荒磯の海に風が激しく、しきりに寄せる波のように、恋の思いは絶え間もないと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「伊勢」は、藤原継蔭の娘である。父が伊勢守であったことから伊勢と呼ばれた。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の寵を受けて皇子を生んだ。三十六歌仙の一人である。
初句「我が恋は」は、前歌と同じ初句で起こす。
二句「荒磯の海の」の荒磯は、岩の多い荒々しい海辺である。
三句「風をいたみ」は、「〜を…み」の形で原因を表し、風が激しいので、の意である。
四句「しきりに寄する」は、絶えず寄せる、の意で、二句からここまでが結句の「波の間」を導く。
結句「波の間もなし」は、波の絶え間もない、の意で、恋の思いの絶え間のなさをたとえる。前歌が小屋の下に秘めて焚く火であったのに対し、この歌は荒々しく絶え間なく寄せる波で、同じ「我が恋は」の初句のもとに、静かに燃える思いと激しく寄せる思いが並ぶ。
ありそ:岩の多い荒々しい海辺
- 作者
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伊勢
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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我が恋は言はぬばかりぞ難波なる 葦のしの屋のしたにこそ焚け
- 次の歌
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須磨の浦に海人のこり積む藻塩木の からくもしたに燃えわたるかな