- 歌の意味
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山の麓を激しく流れる川の、岩に砕け散る波のように、心も千々に砕けて、あの人が恋しい。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1067
詞書は前の歌に続き「題しらず」
山や夏野に寄せて恋を詠む一連の一首目である。山の麓を激しく流れる川の岩に砕ける波のように、心も砕けて人が恋しいと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「貫之」は紀望行の子で、『古今和歌集』の撰者の一人である。仮名序を書き、『土佐日記』を著した。
初句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。
二句「山下たぎつ」は、山の麓を激しく流れる、の意である。
三句「岩波の」の岩波は、岩に当たって砕ける波で、初句からここまでが「砕け」を導く序詞となる。
四句「心砕けて」は、思い乱れて、心も千々に砕けて、の意である。
結句「人ぞ恋しき」の「ぞ」は強意の係助詞で、「恋しき」で結ぶ。本巻の第千十五首の匡衡歌の「山下水のわきやかへらん」と同じく、山の麓を流れる水に恋心を寄せる。前歌までの海の波から山の川の波へと移り、次歌も貫之の歌で、同じ「あしひきの山下」の語で起こす。
たぎつ:水が激しく流れる
いはなみ:岩に当たって砕ける波
- 作者
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紀貫之
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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あるかひもなぎさに寄する白波の 間なく物思ふ我が身なりけり
- 次の歌
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あしひきの山下茂き夏草の 深くも君を思ふころかな