みるめ刈るかたやいづくぞ棹さして
我に教へよ海人の釣舟
- 歌の意味
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見る目を刈る場所はどこなのか。棹をさして、私に教えてくれ、海人の釣舟よ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 1080
詞書は前の歌に続き「題しらず」
海松布に寄せて恋を詠む一連の三首目で、恋歌一の巻末歌である。海松布を刈る場所はどこかと問い、棹をさして教えてくれと海人の釣舟に呼びかける。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「業平朝臣」は在原業平である。平城天皇の皇子阿保親王の子で、六歌仙の一人に数えられ、『伊勢物語』の主人公に擬せられてきた。
初句「みるめ刈る」の「みるめ」は、前二首に続いて、海藻の「海松布」と、逢って見る「見る目」を掛ける。
二句「かたやいづくぞ」の「かた」は、前歌と同じく、海松布を刈る「潟」と、場所や方角の意の「方」を掛ける。「や」は疑問の係助詞で、「いづく」を受ける。ここで二句切れとなる。
三句「棹さして」は、棹を水底に突き立てて舟を進めて、の意である。
四句「我に教へよ」は、私に教えてくれ、の意の命令形で、本巻の第千七十四首の「しるべせよ」と同じく、道を尋ねる呼びかけである。
結句「海人の釣舟」は体言止めである。逢う手立てを海人に尋ねる形で巻が閉じられており、巻頭の第九百九十首が峰の白雲をよそに見るだけで終わるのかと嘆いたのに対し、この巻末歌は見る手立てそのものを問い求めて終わる。よそに見るだけの恋に始まり、見る手立てを尋ねる恋に至って、恋歌一は閉じられている。
みるめ:海藻の「海松布」と、逢って見る「見る目」を掛ける
かた:海松布を刈る「潟」と、場所や方角の意の「方」を掛ける
さをさす:棹を水底に突き立てて舟を進める
つりぶね:釣をするための舟
- 作者
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在原業平
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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逢ふまでのみるめ刈るべきかたぞなき まだ波馴れぬ磯のあま人
- 次の歌
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下燃えにおもひ消えなん煙だに 跡なき雲の果てぞ悲しき