夢にても見ゆらんものを嘆きつつ
うち寝る宵の袖のけしきは
- 歌の意味
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夢の中ででも、あの人にはきっと見えているだろうに。嘆きながら寝入る宵の、涙に濡れた私の袖のありさまは。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 1124
詞書「百首歌の中に」
夢を詠む一連の一首目である。嘆きながら寝る宵の涙に濡れた袖のありさまは、夢の中ででも相手に見えているだろうにと詠む。詞書によれば、百首歌のうちの一首である。
作者は式子内親王で、後白河天皇の皇女である。賀茂の斎院を務め、藤原俊成に和歌を学んだ。
初句「夢にても」は、夢の中ででも、の意である。ここから本巻の第千百二十七首まで、夢を詠む歌が続く。
二句「見ゆらんものを」は、見えているだろうに、の意で、「らん」は現在推量、「ものを」は逆接の詠嘆を表す。二句切れで、倒置によって結句の「袖のけしきは」が主語となる。
三句「嘆きつつ」は、嘆きながら、の意で、「つつ」は動作の継続を表す。
四句「うち寝る宵の」は、寝入る宵の、の意で、「うち」は語調を整える接頭語である。
結句「袖のけしきは」は、袖のありさまは、の意である。前歌までの袖と涙の一連を受け、涙に濡れた袖が夢を通して相手に届くことを願う心が示される。夢の中で相手に姿が見えるという当時の考えを踏まえて詠まれている。
うちぬ:寝入る、横になって寝る
けしき:ありさま、様子
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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紅に涙の色のなりゆくを いくしほまでと君に問はばや
- 次の歌
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覚めてのち夢なりけりと思ふにも 逢ふは名残の惜しくやはあらぬ