覚めてのち夢なりけりと思ふにも
逢ふは名残の惜しくやはあらぬ
- 歌の意味
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目が覚めてから、あれは夢だったのだと思うにつけても、逢ったことは名残惜しくないことがあろうか、やはり名残惜しい。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 1125
詞書「語らひ侍りける女の夢に見えて侍りければよみける」
夢を詠む一連の二首目である。目覚めて夢だったと分かっても、夢の中で逢ったことの名残はやはり惜しいと詠む。詞書によれば、親しくしていた女が夢に現れたので詠んだ歌である。
作者の「後徳大寺左大臣」は藤原実定である。右大臣藤原公能の子で、左大臣に至った。祖父の実能が徳大寺左大臣と呼ばれたのに対し、後徳大寺と呼ばれた。
初句「覚めてのち」は、目が覚めてから、の意である。前歌が夢に見られることを願ったのに対し、ここでは夢から覚めたのちの心が詠まれる。
二句「夢なりけりと」は、夢であったのだと、の意で、「けり」は気づきを表す。次歌も同じ「夢なりけりと」を二句に置き、二首が同じ句で並べられている。
三句「思ふにも」は、思うにつけても、の意である。
四句「逢ふは名残の」は、逢ったことは、その名残が、の意である。
結句「惜しくやはあらぬ」は、惜しくないことがあろうか、いや惜しい、の意で、「やは」は反語を表す。夢と分かっていても、逢ったことの名残は現実と変わらず惜しいとしている。
かたらふ:親しく語り合う、男女が親しくつきあう
なごり:物事が過ぎ去ったあとに残る気配や思い
- 作者
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藤原実定
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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夢にても見ゆらんものを嘆きつつ うち寝る宵の袖のけしきは
- 次の歌
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身に添へるその面影の消えななん 夢なりけりと忘るばかりに