- 歌の意味
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寝床の霜も、枕の氷も、消えかねている。結んでおいてもくれなかった、あの人の契りのために。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 1137
詞書「冬恋」
季節に寄せて恋を詠む二首の二首目である。約束を結びもしなかった人の契りのために、ひとり寝の床の霜も枕の氷も消えかねていると詠む。詞書によれば、「冬恋」を題として詠まれた。前歌の「春恋」に続く題である。
作者は藤原定家で、呼称の「朝臣」は五位以上の官人に付ける敬称である。藤原俊成の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。
初句「床の霜」は、寝床に置く霜で、ひとり寝の床の冷たさと涙の凍るさまをいう。題の「冬恋」の冬がここに示される。
二句「枕の氷」は、枕に凍りついた涙の氷である。初句と二句とで「床の霜」「枕の氷」と対を重ねている。
三句「消えわびぬ」は、消えかねている、の意で、三句切れである。霜や氷が消えないことに、恋に身を消しかねる思いが重ねられる。
四句「結びもおかぬ」は、結んでもおかない、の意で、霜や氷が「結ぶ」ことと、契りを「結ぶ」ことを重ねる。
結句「人の契りに」は、あの人の約束のために、の意で、倒置によって三句へ返る。前歌が春の霞む月を涙に宿したのに対し、ここでは冬の霜と氷が涙として床と枕に結ばれ、春と冬の恋が対をなしている。
きえわぶ:消えかねる
ちぎり:約束、特に男女の間の約束
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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面影のかすめる月ぞ宿りける 春や昔の袖の涙に
- 次の歌
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つれなさのたぐひまでやはつらからぬ 月をもめでじ有明の空