明日知らぬ命をぞ思ふおのづから
あらば逢ふ夜を待つにつけても
- 歌の意味
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明日をも知れない命のことを思う。もしも生きながらえたなら、逢える夜もあろうかと、それを待つにつけても。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 1145
詞書は前の歌に続き「題しらず」
片思いの果てにわが身と命を思う一連の三首目である。もし生きながらえたら逢う夜もあろうかと待つにつけ、明日も知れない命を思うと詠む。詞書は前歌から続いて題しらずである。
作者は殷富門院大輔で、藤原信成の娘である。後白河天皇の皇女で殷富門院と呼ばれた亮子内親王に仕えた。
初句「明日知らぬ」は、明日のことも分からない、の意である。
二句「命をぞ思ふ」は、命のことを思う、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ。八音の字余りで、二句切れである。前歌の恋い死にを受け、命のはかなさを思う。
三句「おのづから」は、ひょっとして、万一、の意である。
四句「あらば逢ふ夜を」は、生きながらえていたら逢う夜を、の意である。
結句「待つにつけても」は、待つにつけても、の意で、倒置によって二句へ返る。逢う夜を待てばこそ、明日も知れぬ命が惜しく思われるとする。本巻の第千百四十七首も「惜しき命」を詠み、命を惜しむ心が重ねられる。
あり:生きながらえる
- 作者
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殷富門院大輔
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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恋ひ死なん同じ憂き名をいかにして 逢ふにかへつと人に言はれん
- 次の歌
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つれもなき人の心は空蝉の むなしき恋に身をやかへてん