蘆の屋の倭文機帯の片結び
心やすくもうちとくるかな
- 歌の意味
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蘆葺きの粗末な家に住む者の倭文機帯の片結びがたやすく解けるように、あなたは気安くも打ち解けてくれることだ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1164
詞書「初会恋の心を」
初めて逢ったのちの思いを詠む一連の二首目である。蘆の屋に住む者の倭文機帯の片結びがたやすく解けるように、相手が気安く打ち解けてくれたことを喜ぶ。詞書によれば、初めて逢う恋という題で詠まれた題詠の歌である。
作者の「俊頼朝臣」は源俊頼である。大納言源経信の子で、白河院の命により『金葉和歌集』を撰進し、歌論書『俊頼髄脳』を著した。
初句「蘆の屋の」は、蘆で屋根を葺いた粗末な家の、の意である。前歌の逢坂の山と同じく景物から歌い起こし、下へ続く序の一部となる。
二句「倭文機帯の」は、倭文機で織った帯の、の意である。倭文は古代の織物で、素朴な身なりを思わせる語である。
三句「片結び」は、帯の一方だけを輪にして結ぶ結び方で、解けやすい。上三句が序詞となり、解けやすいことから四句以下を導く。
四句「心やすくも」は、たやすくも、気安くも、の意である。片結びの帯が解けやすい意と、相手が心を許す意が重なる。
結句「うちとくるかな」の「うちとくる」は、帯が解ける意と、心が打ち解ける意を掛ける掛詞である。初めての逢瀬で女が心を許してくれた喜びを、帯が解ける姿に託す。前歌が逢ったのちに募る嘆きを詠んだのに対し、本歌は初めての逢瀬の喜びを明るく詠み、二首が対照をなしている。
しづはたおび:倭文機で織った帯。倭文は古代の織物
かたむすび:帯の一方だけを輪にする結び方
うちとく:帯が解ける意と、心を許して打ち解ける意を掛ける
- 作者
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源俊頼
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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今朝よりはいとどおもひを焚きまして なげき樵り積むあふさかの山
- 次の歌
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かりそめにふしみの野辺の草枕 露かかりきと人に語るな