- 歌の意味
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面影を忘れられそうにない別れであることよ。あの人が別れの名残を有明の月にとどめていったので。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1185
詞書「題しらず」
後朝の思いを詠む一連の九首目である。あの人が名残を月にとどめていったので、面影を忘れられそうにない別れであると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「西行法師」は、俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、若くして出家した歌僧である。諸国を旅して多くの歌を残した。
初句「面影の」は、心に浮かぶ姿の、の意である。別れた相手の姿を指す。
二句「忘るまじき」は、忘れることのできそうにない、の意である。「まじ」は打消推量の助動詞である。
三句「別れかな」は、別れであることよ、の意で、詠嘆の「かな」で三句切れとなる。下の句がその理由を倒置して示す。
四句「名残を人の」は、別れの名残をあの人が、の意である。
結句「月にとどめて」は、月にとどめていって、の意である。別れのときに共に見た月に相手の面影が残り、月を見るたびに思い出されるという趣向である。本巻の第千百六十九首、第千百八十二首に続いて月を詠み、有明の月が別れの記憶を宿すものとして詠まれている。
おもかげ:心に浮かぶ姿
なごり:別れたあとに残る気配や思い
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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明けぬれどまだきぬぎぬになりやらで 人の袖をも濡らしつるかな
- 次の歌
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またも来ん秋をたのむの雁だにも 鳴きてぞ帰る春の曙