いかが吹く身にしむ色の変はるかな
頼むる暮れのまつ風の声
- 歌の意味
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どのように吹いているのだろう。身にしみる風の色がいつもと変わって感じられることだ。来ると約束してくれた夕暮れに、待つ身に聞く松風の音は。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1201
詞書は前の歌に続き「題しらず」
来ぬ人を待つ夜を詠む一連の五首目である。来ると約束してくれた夕暮れに聞く松風の音は、どのように吹いているのか、身にしみる色がいつもと変わって感じられると詠む。詞書は前の歌に続いて題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「八条院高倉」は、鳥羽天皇の皇女八条院暲子内親王に仕えた女房である。
初句「いかが吹く」は、どのように吹くのか、の意で、初句切れとなる。風そのものへの問いかけから歌い起こす。
二句「身にしむ色の」は、身にしみる風の色の、の意である。目に見えない風に色を感じ取る表現で、風の身にしみる感じをいう。
三句「変はるかな」は、変わることだ、の意で、詠嘆の「かな」で三句切れとなる。約束の夕暮れには、同じ風がいつもと違って身にしみる。
四句「頼むる暮れの」は、約束してくれた夕暮れの、の意である。「頼む」は下二段活用で、頼みに思わせる意である。本巻の第千百九十四首の「今日は頼めし暮れ」、第千百九十七首の「頼めずは」と同じく約束を詠む。
結句「まつ風の声」の「まつ」は、松の意と、待つの意を掛ける掛詞である。前の二首に続いて風が人を待つ心と結びつけられ、次歌も同じ「松風の声」で結ばれている。
みにしむ:身にしみて深く感じられる
たのむ:頼みに思わせる。約束する
まつ:松の意と、待つの意を掛ける
- 作者
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八条院高倉
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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人は来で風のけしきも更けぬるに あはれに雁のおとづれてゆく
- 次の歌
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頼めおく人もながらの山にだに さ夜更けぬれば松風の声