結び置きし袂だに見ぬ花すすき
刈るともかれじ君しとかずは
- 歌の意味
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契りを結んでおいたあなたの袂さえ、今は見ることのない花すすきだが、花すすきが刈っても枯れないように、私たちの仲も離れはしまい、あなたが結んだものを解かないならば。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1215
詞書は前の歌に続き「題しらず」
訪れの途絶えた恋を詠む一連の七首目である。契りを結んだあなたの袂さえ今は見ることがないが、花すすきが刈っても枯れないように、あなたが結んだものを解かないなら仲は離れまいと詠む。詞書は前の歌に続いて題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「権中納言敦忠」は藤原敦忠である。左大臣藤原時平の子で、権中納言に至った。三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「結び置きし」は、結んでおいた、の意で、六音の字余りである。本巻の第千二百十三首の「結び置きて」と同じ語で、契りを結ぶことをいう。
二句「袂だに見ぬ」は、袂さえ見ない、の意である。花すすきの穂は袖や袂に見立てられ、相手の姿を見ることさえない逢いがたさを示す。
三句「花すすき」は、穂の出たすすきである。二句の「袂」と、四句の「刈る」「かれ」を結ぶ要の語となる。
四句「刈るともかれじ」の「かれ」は、草が枯れる意と、人の仲が離れる意を掛ける掛詞である。刈っても枯れない花すすきのように、仲は離れまいと言う。前歌の「刈るてふ萱」に続き、刈られる草を詠む。
結句「君しとかずは」は、あなたが解かないならば、の意である。「し」は強意の副助詞である。初句の「結び」と結句の「解く」が対をなし、契りの結び目を相手が解かない限り、という条件で仲の続くことを願っている。
はなすすき:穂の出たすすき
かる:草が枯れる意と、人の仲が離れる意を掛ける
とく:結び目をほどく
- 作者
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藤原敦忠
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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東路に刈るてふ萱の乱れつつ つかのまもなく恋ひやわたらん
- 次の歌
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霜の上に今朝降る雪の寒ければ 重ねて人をつらしとぞ思ふ