ひとり臥す荒れたる宿の床の上に
あはれ幾夜の寝覚めしつらん
- 歌の意味
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ひとりで寝る荒れ果てた家の床の上で、ああ、幾夜の寝覚めをしてきたことだろう。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1217
詞書「題しらず」
訪れの途絶えた恋を詠む一連の九首目である。ひとりで寝る荒れた家の床の上で、ああ幾夜の寝覚めをしてきたことだろうと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「安法法師女」は、歌僧安法法師の娘である。安法法師は源融の曾孫で、河原院に住んだ。
初句「ひとり臥す」は、ひとりで寝る、の意である。本巻の第千二百八首の「ひとりかも寝ん」の不安が、ここではすでに現実となっている。
二句「荒れたる宿の」は、荒れ果てた家の、の意である。人の訪れが絶えて荒れた住まいは、忘れられた身のたとえとなる。
三句「床の上に」は、寝床の上に、の意で、六音の字余りである。
四句「あはれ幾夜の」は、ああ、幾夜の、の意である。「あはれ」は感動詞で、嘆きを直接に表す。
結句「寝覚めしつらん」は、寝覚めをしてきたことだろう、の意である。前歌の「重ねて」と同じく、つらさの積み重なりを、寝覚めの夜の数として示している。
ねざめ:夜中に目が覚めること
- 作者
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安法法師女
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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霜の上に今朝降る雪の寒ければ 重ねて人をつらしとぞ思ふ
- 次の歌
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山城の淀の若菰かりに来て 袖濡れぬとはかこたざらなん