我ばかりつらきを忍ぶ人やあると
今世にあらば思ひあはせよ
- 歌の意味
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私ほどに、相手のつれなさを耐え忍んでいる人がほかにいるかどうか、あなたが今この世に生きているのならば、思い比べてみよ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1222
詞書「片思の心を」
つれない人を恨み、そのつらさに耐える恋を詠む一連の三首目である。私ほど相手のつれなさを耐え忍ぶ人がいるかどうか、今この世にいるならば思い比べてみよと詠む。詞書によれば、片思いという題で詠まれた題詠の歌である。
作者の「入道前関白太政大臣」は九条兼実である。関白藤原忠通の子で、摂政、関白、太政大臣を歴任し、九条家の祖となった。日記『玉葉』を残した。
初句「我ばかり」は、私ほど、の意である。自分のつらさを他と比べる姿勢を示す。
二句「つらきを忍ぶ」は、相手のつれなさを耐え忍ぶ、の意である。
三句「人やあると」は、人がいるかと、の意で、六音の字余りである。
四句「今世にあらば」は、今この世にいるならば、の意である。広い世の中を見渡しても、という含みで比較の範囲を示す。
結句「思ひあはせよ」は、思い比べてみよ、の意である。命令形で相手に呼びかけ、自分ほどつらさに耐える者はいないと訴える。前歌が相手にも苦しんでほしいと願ったのに続き、本歌は自分の忍耐の深さを相手に突きつけている。
しのぶ:耐え忍ぶ
おもひあはす:思い比べる
- 作者
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九条兼実
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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いかばかり嬉しからましもろともに 恋ひらるる身も苦しかりせば
- 次の歌
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ただ頼めたとへば人の偽りを 重ねてこそはまたも恨みめ