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つらきをも恨みぬ我にならふなよ
憂き身を知らぬ人もこそあれ

歌の意味
あなたのつれなさをも恨まない私のような者に慣れてはいけないよ。自分のつらい身の程をわきまえない人も、世の中にはいるのだから。
鑑賞
巻第十三 恋歌三 1227

詞書「題しらず」
 つれない人を恨み、そのつらさに耐える恋を詠む一連の八首目である。つれなさをも恨まない私に慣れてはいけない、身の程をわきまえない人もいるのだから、と詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
 作者の「小侍従」は、石清水八幡宮別当紀光清の娘で、二条天皇、高倉天皇に仕えた女房である。

 初句「つらきをも」は、つれなさをも、の意である。前の一連の「つらし」の語を受け継ぐ。
 二句「恨みぬ我に」は、恨まない私に、の意である。本巻の第千二百二十三首の「またも恨みめ」が恨みを先に延ばしたのに対し、本歌はもとより恨まない自分を示す。
 三句「ならふなよ」は、慣れてはいけないよ、の意で、三句切れとなる。「な」は禁止の終助詞である。
 四句「憂き身を知らぬ」は、つらい我が身の程をわきまえない、の意である。
 結句「人もこそあれ」は、人もいるのだから困る、の意である。「もこそ」は、そうなっては困るという懸念を表す。自分は恨まないが、ほかの女はそうはいかないと、相手のつれなさを遠回しにたしなめている。

ならふ:慣れる。習慣となる
うきみ:つらい境遇の身
作者
小侍従
出典
新古今和歌集
前の歌
あはれにも誰かはつゆも思はまし 消え残るべき我が身ならねば
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なにか厭ふよもながらへじさのみやは 憂きに堪へたる命なるべき