あはれとて人の心の情けあれな
数ならぬにはよらぬ嘆きを
- 歌の意味
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かわいそうだと思って、あの人の心に情けがあってほしい。私が物の数にも入らない身であることによるのではない、この恋の嘆きに対して。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 1230
詞書は前の歌に続き「題しらず」
つれない人を恨み、そのつらさに耐える恋を詠む一連の十一首目である。この嘆きは物の数にも入らない身分によるものではないのだから、かわいそうだと思ってあの人の心に情けがあってほしいと詠む。詞書は前の歌に続いて題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「西行法師」は、俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、若くして出家した歌僧である。諸国を旅して多くの歌を残した。
初句「あはれとて」は、かわいそうだと思って、の意である。
二句「人の心の」は、あの人の心の、の意である。
三句「情けあれな」は、情けがあってほしい、の意で、三句切れとなる。「な」は願望を表す終助詞である。
四句「数ならぬには」は、物の数にも入らない身であることには、の意である。身分の低さを指す。
結句「よらぬ嘆きを」は、よるのではない嘆きを、の意である。恋の嘆きは身分の高下によるものではないという理屈を差し向けて、相手の情けを求める。上の句と下の句が倒置となり、次歌の「身を知れば」とともに、身の程と恋の嘆きの関係を詠む二首が並べられている。
なさけ:思いやり。人情
かずならぬ:物の数にも入らない。取るに足りない
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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恋ひ死なん命はなほも惜しきかな 同じ世にある甲斐はなけれど
- 次の歌
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身を知れば人の咎とは思はぬに 恨み顔にも濡るる袖かな