言の葉のうつろふだにもあるものを
いとど時雨の降りまさるらむ
- 歌の意味
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あなたの言葉が色あせ移り変わってゆくことさえつらいのに、どうしていっそう時雨が降りつのるのだろう。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1241
詞書「題しらず」
秋冬の景物に寄せて疎遠を嘆く一連の一首目である。あなたの言葉が色あせて変わってゆくだけでもつらいのに、どうしていっそう時雨が降りつのるのだろうと嘆く。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「伊勢」は、伊勢守藤原継蔭の娘で、宇多天皇の女御藤原温子に仕えた女房である。宇多天皇の寵を受け、のちに敦慶親王との間に中務を生んだ。三十六歌仙の一人である。
初句「言の葉の」は、言葉を葉にたとえた語で、二句の「うつろふ」、四句の「時雨」と縁語として結ばれる。
二句「うつろふだにも」の「うつろふ」は、木の葉の色が変わる意と、相手の言葉や心が変わる意とを掛ける。「だに」は、〜さえ、の意で、それだけでもつらいという気持ちを示す。
三句「あるものを」は逆接で、それだけでもつらいのに、と下に続ける。
四句「いとど時雨の」は、いっそう時雨が、の意である。時雨は木の葉を色づかせ散らす雨であり、心変わりをさらに進めるものとして詠まれる。同時に、降りしきる作者の涙をも思わせる。
結句「降りまさるらむ」の「らむ」は原因推量で、どうして降りつのるのだろう、の意である。言の葉の移ろいに時雨が重なり、嘆きが増してゆくさまで結ぶ。
ことのは:言葉、葉にたとえていう
うつろふ:木の葉の色が変わる意と、人の心や言葉が変わる意を掛ける
しぐれ:晩秋から初冬に降ったりやんだりする雨
- 作者
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伊勢
- 出典
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新古今和歌集
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かたがたに引き別れつつあやめ草 あらぬねをやはかけむと思ひし
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