- 歌の意味
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空を行く月も幾めぐりしたことか、それだけの月日を隔ててしまった。契りを交わした二人の仲は、今ではよその浮雲のように遠いものとなった。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1275
詞書は前の歌に続き「千五百番歌合に」
月に寄せる恋を詠む一連の二十首目である。空を行く月が幾めぐりもするほど月日が隔たり、契りを交わした仲は今ではよその浮雲のようだと詠む。詞書は前歌に続き、千五百番歌合に出詠した歌である。
作者の「左衛門督通光」は源通光である。内大臣源通親の子で、のちに太政大臣に至った。左衛門督は本集成立時の官職である。
初句「幾めぐり」は、何度めぐったことか、の意で、月の運行を数える。
二句「空行く月も」は、空を渡ってゆく月も、の意である。本巻の第千二百七十二首の良経の歌が踏まえた橘忠幹の歌の「空行く月」と同じ語である。
三句「隔てきぬ」は、月日を隔ててしまった、の意の三句切れである。「月」は空の月と暦の月とに通い、月がめぐるたびに二人の間が隔たってゆくことを示す。
四句「契りし中は」は、契りを交わした二人の仲は、の意である。
結句「よその浮雲」は、本巻の第千二百七十二首の良経の歌と同じ結句である。良経の歌では月を隔てるものとして浮雲に呼びかけたが、ここでは二人の仲そのものが、自分とは関わりのないよその浮雲になってしまったと詠み、同じ結句を反転させている。
めぐり:月がめぐること、その回数
へだつ:間を隔てる
ちぎる:将来を約束する、夫婦の約束をする
うきぐも:空に浮かび漂う雲
- 作者
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源通光
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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恋ひわぶる涙や空に曇るらむ 光も変はる閨の月影
- 次の歌
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今来むと契りしことは夢ながら 見し夜に似たる有明の月