思ひ出でて夜な夜な月に尋ねずは
待てと契りし中や絶えなむ
- 歌の意味
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あの人を思い出して、夜ごとに月に問いかけることをしなかったなら、待っていてくれと約束した二人の仲は絶えてしまうだろうか。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1278
詞書「題しらず」
月に寄せる恋を詠む一連の二十三首目である。思い出して夜ごとに月に問いかけなかったなら、待てと約束した仲は絶えてしまうだろうかと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「摂政太政大臣」は藤原良経である。関白九条兼実の子で、摂政、太政大臣に至り、後京極摂政と呼ばれた。新古今和歌集の仮名序を執筆した。
初句「思ひ出でて」は、あの人を思い出して、の意である。
二句「夜な夜な月に」は、夜ごとに月に、の意である。前歌のめぐってくる月を受け、夜ごとに見る月を、恋人とつながる手がかりとする。
三句「尋ねずは」は、問いかけなかったら、の意の仮定である。
四句「待てと契りし」は、待っていてくれと約束した、の意である。待つ側に立つ女の立場で詠まれている。
結句「中や絶えなむ」の「や」は疑問、「なむ」は強い推量で、二人の仲は絶えてしまうのだろうか、の意である。月に問いかけ続けることだけが、途絶えそうな仲をかろうじてつなぎとめているという心を示す。
たづぬ:問いかける、尋ねる
ちぎる:約束する
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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忘れじと言ひしばかりのなごりとて その夜の月はめぐり来にけり
- 次の歌
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忘るなよ今は心の変はるとも 慣れしその夜の有明の月