- 歌の意味
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人の通った跡も絶えて、庭は浅茅の葉末ばかりになってしまった。来ると頼みにさせたこの宿の、庭に置く白露よ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1286
詞書「経房卿家歌合に久恋と」
荒れた宿に訪れのない恋を詠む一連の二首目である。人の通った跡も絶えて浅茅の葉末ばかりとなった、来ると頼みにさせたこの宿の庭に白露が置いていると詠む。詞書によれば、経房卿の家で催された歌合で、久恋の題で詠んだ歌である。
作者の「二条院讃岐」は、源頼政の娘で、二条天皇に仕えた女房である。のちに後鳥羽天皇の中宮宜秋門院任子にも仕えた。詞書の「経房卿」は藤原経房である。
初句「跡絶えて」は、人の通った跡も絶えて、の意である。訪れが絶えて久しいことを示す。
二句「浅茅が末に」の「末」は、浅茅の葉末の意で、月日の果てをも思わせる。前歌の蓬に続き、荒れた庭の草を挙げる。
三句「なりにけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、なってしまった、の意の三句切れである。
四句「頼めし宿の」は、来ると頼みにさせた宿の、の意である。約束した恋人が来るはずの自分の宿を言う。
結句「庭の白露」は体言止めである。前歌の結句「庭の蓬生」と同じ「庭の」で始まり、蓬から白露へと荒れた庭の景を移す。白露は涙を思わせ、久恋の題にふさわしい長い待ちわびを示す。
あさぢ:丈の低い茅
たのむ:あてにさせる、約束する
- 作者
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二条院讃岐
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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習ひ来し誰が偽りもまだ知らで 待つとせしまの庭の蓬生
- 次の歌
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来ぬ人を思ひ絶えたる庭の面の 蓬が末ぞまつにまされる